「72時間の壁」について簡単に説明すると、災害時における生存のタイムリミットを指します。通常、被災から3日を過ぎると生存の可能性が極端に低くなると言われています。
この「72時間の壁」の根拠には、阪神・淡路大震災における生存率データと、人間が水なしで生存できるに日数が関係しています。
阪神・淡路大震災のデータによれば、震災当日である1月17日の救助率は75%、2日目は24%、3日目には15%、4日目には5%と、救助率は急激に低下しています。
また、一般的に人間は水なしで3日間を限度に生存できるとされており、この2つの要因から「72時間の壁」という考え方が生まれました。
72時間を過ぎると必ずしも急激に容態が悪化するわけではありませんが、72時間以内に救助を行うことが最も効果的であるとされ、そのため救助活動ではこの時間内に負傷者を助けることが重要視されています。
もちろん被災時の天候や気候など様々な要因により、低体温症や脱水症状などを発症して「72時間の壁」が適応されないこともあります。
推奨される食料や飲料水の備蓄量が3日間なのも、「72時間の壁」が根拠になっています。最初の3日間を生き延びるためにも、備蓄の確認を忘れないようにしましょう。