大災害(地震、風水害、大規模火災など)が発生した際、消防機関(消防本部・消防署・消防団)は、地域住民の生命・身体・財産を守るための最前線で活動します。
大災害発生時の消防の活動

消防の具体的な役割と権限、そして近年の災害における活動事例について解説します。
大災害における消防の役割
消防組織法および各自治体の地域防災計画に基づき、消防は主に以下の役割を担います。
人命救助(レスキュー)
倒壊家屋からの救出、土砂崩れや洪水に巻き込まれた人の救助など、専門的な資機材(特別救助隊やハイパーレスキュー等)を用いて迅速な救命活動を行います。
消火活動
地震等で同時多発的に発生した火災や、強風による大規模な市街地火災、林野火災の鎮圧にあたります。
救急・医療救護
負傷者を迅速にトリアージ(重症度分類)し、応急処置を行いながら医療機関へ搬送します。また、DMAT(災害派遣医療チーム)などとも連携します。
水防活動・警戒
風水害時には、河川の氾濫や浸水が予想される地域での警戒、土砂災害の危険箇所の確認、排水作業などを行います。
緊急消防援助隊の出動(広域応援)
地元消防だけでは対処できない大規模災害に対し、全国各地から「緊急消防援助隊」が被災地へ駆けつけ、組織的な救助活動を展開します。
大災害における消防の権限
災害現場やその前後において、消防には法律に基づいた強い権限や措置が与えられています。
消防警戒区域の設定(消防法第28条)
火災や災害の現場において、人命救助や消火活動を円滑に行うため、または二次災害を防ぐために、一般人の立ち入りを制限・禁止する「消防警戒区域」を設定することができます。
物件の処分・使用・制限(消防法第29条)
災害の拡大を防ぎ、人を救うために緊急の必要がある場合、消防吏員や消防団員は、消防対象物(建物など)やその周辺の土地を使用・処分(破壊・除去など)したり、障害となる物件の移動・排除を行うことができます。
住民等に対する避難の指示や協力要請
災害現場の状況に応じ、周辺住民に対して避難を呼びかけたり、消火・救助活動への協力を求めたりすることがあります。
最近の災害における消防の活動事例
近年発生した大規模災害でも、消防は警察や自衛隊、関係機関と深く連携し、最前線で活動しています。
令和6年能登半島地震(2024年)
道路の寸断や大規模な土砂崩れ、建物倒壊が相次ぐ中、全国から緊急消防援助隊が出動しました。
現地では、警察や自衛隊と緊密に情報共有(活動サイトの調整)を行いながら、取り残された住民の救助や行方不明者の捜索に全力を挙げました。また、重機を活用した瓦礫の撤去や道路啓開も行われました。
各地の線状降水帯による豪雨災害(令和5年・4年などの豪雨)
河川の氾濫や土石流災害(例えば佐賀県唐津市の土砂災害や新潟県・福井県での豪雨災害など)において、県内・県外の消防応援隊が多数出動しました。
孤立した地区からの救助活動に加え、地元建設業協会や自治体、国土交通省の地方整備局などとも連携し、重機による土砂の排除や安全な救助ルートの確保(道路啓開)を並行して進めるなど、実践的な連携体制が取られました。
まとめ
お住まいの地域で万が一の大規模災害に備えるため、普段からお近くの消防署や自治体が実施している防災訓練などに参加してみるのもおすすめです。
